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ポケモン大戦争R

1 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 07:52:52 ID:bU2BCzYc
ポケモン大戦争R
  〜ボクらの世界と、ボクらの……〜


誰の所為で?
何の為に?

そんなことは判らない。

けど、やらなきゃならないんだ。

――それは、“世界”が決めた事だから。


第一話:始まりは絶望から

2 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 07:53:41 ID:bU2BCzYc
「暫しの別れ……
 我が子よ、必ず生き残るのですよ」

待って。


「あなたはいい子だから、きっと大丈夫。
 アルセウス様が守ってくれるわ……」

待ってよ。


「次に会う時は、敵同士かもしれませんね」

ねえ。


「また会おうぜ、絶対な!」

みんな、どうして――


「おい!」

どうして、どうして。


「……おい!」

どうしてみんな、ボクの前から――

3 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 07:54:38 ID:???
「おいッ!」
「ひゃぁっ!?」

もうすっかり聞き慣れてしまった怒号で我に返る。

――夢。
夢を見ていたのか。

「全く……お前は寝坊するクセがあっていかん!
 早く訓練に参加しろ、いつ敵が攻めてくるか判らんのだぞ!」
「は、はいっ!」

メタグロス教官にどやされて、ベッドから飛び起きる。
辺りを見渡すと、粗末なつくりの空のベッドがたくさん。
ボクらが寝泊りしている宿直室には、ボクと教官以外は誰も居ない。

「何をボサっとしてる!
 ワシがつい数秒前に言った事をもう忘れたか!
 それともまだ寝ぼけているのか?
 ならばコメットパンチで叩き起こしてやろうか!?」

教官は、青くごつごつした――まるで生物とは思えない足を振り上げて怒鳴る。


「ご、ごめんなさいっ!」

ボクは枕元に置いてあった魔道書を手にとって走り出す。

落とさないようにぎゅっと抱きしめて、教官を横目で見て――
お前なんかには到底扱えないシロモノだよ、なんて、心の中で毒づきながら。

4 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 07:58:06 ID:???
「あでっ!」

人をバカにしたバチなのか、
それとも単純にボクがトロいだけなのか、何もない所ででつまづいて、転んでしまう。

ボクの手から離れて地面に落ちた魔道所のページがめくれ、中から記号のような文字が覗く。


「えへへ……」

その文字を見て、ボクは思わず微笑んでしまう。

自分で言うのもすごく恥ずかしいけど、
ボクは物心ついた頃から“こっち方面”の才能があった。


――アンノーン文字。

読めるポケモンよりも、読めないポケモンの方が多い文字。
普通のポケモンでは、全部覚えるのに3年、解読できるようになるのに15年掛かる文字。
1文字1文字に古代の力が秘められた、特別な文字。

それをボクは、たったの1年で覚え、さらに2年で解読できるようになってしまった。
今ではもう、この文字を使いこなしてしまっている。


「おっと」

そうだ、こんなコトをしてる場合じゃない。
早く行かないと、また教官にどやされるな。

そんな事を考えながら、ボクは魔道書を拾ってまた走り出した。

5 :名無しさん、君に決めた!:2008/07/28(月) 08:05:28 ID:???


6 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:07:38 ID:???
どうしてこんな事になったのか、ボクは未だに理解できない。

世界は、ある日突然変わってしまった。


――“あの日”からもう1ヶ月。

つい1ヶ月前まで、普通の子供として平和に過ごしていたボクは今、
自分の軍のため、戦うため――敵の命を奪うための訓練をしている。


「βνσ!」

文字では表しがたい声が、ボクの口から発せられる。
古代のポケモン、“アンノーン”の声を真似て、この本の中身を読んだものだ。

直後、目の前に雷が落ちて――目の前にあった木箱が粉々に吹き飛ぶ。
実のところ、こうやって使いこなせてはいても、原理はよく解ってない。
父さんによると、古代の言葉で伝説のポケモン達に呼びかけて、力を借りてるらしいんだけど。


「おお……」

聞こえてくるのは感嘆の声、向けられるのは期待の眼差し。

皆がボクに期待をしている。
けど、ボクはそれが嫌だった。


――あの木箱が、敵のポケモンだったら。

想像しただけで吐き気がする。

7 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:13:12 ID:???
でも、ボクの意思は関係ない。
ボクは、エスパー軍の一員として戦わなければいけないんだ。

ボクが戦う事を拒否すれば、たとえほんの少しでも戦力が落ちる。
その所為で、仲間の誰かが死ぬかもしれない。
それだけは絶対嫌だ。

だから、もっと強くならなきゃいけない。


邪念を払い、意識を集中させる。
今日こそは、成功するだろうか。

「――ξοζ、εν」

また、アンノーン語で呪文を唱える。
さっきよりもぜんぜん長い、難解な呪文。
この1週間、何度も何度も挑戦して――まだ1度も成功してない呪文。

全員が、固唾を呑んで見守っていた。


「οεν!」

唱え終わった直後、ボクの目の前に巨大な火柱が現れる。


――成功だ。

今日こそ出来ると思ってたけど、やっぱり出来た。
1週間の修行が、やっと実を結んだんだ。

8 :名無しさん、君に決めた!:2008/07/28(月) 08:14:36 ID:???
一人でただ小説書くだけなら
自分のサイトでやってよ
こういうのがあるから他の板が立てれないんだよ


9 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:20:48 ID:???
「やった! やりました教官!」
「あ、ああ、やった! お前は凄いぞ!」

教官が両腕――いや、両前足?――を広げて待っている。
ボクは魔道書を地面に置いて、駆け寄ろうとした。


――ぐらり。

視界が揺らぐ。


「あ……れ?」

教官の顔が、いや、皆の姿がゆがんで見える。

足が動かない。
頭が痛い。

息が苦しい。
声が出ない。
目の前が、白くなっていく。


「お…! ……じょ………! ……ト…!」

教官が、ボクを読んでるのか。

でも、ほとんど聞こえない。


――ちょっと、無茶し過ぎたのかな?

10 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:23:01 ID:???
ボクは真っ白になる意識の中で、何故か昔の事を思い出していた。


ポケモン学校。
同じ年代のポケモンが、タイプなんて関係なしに楽しく過ごしていた場所。

そこには、ボクの親友が居た。

名前はロゼリアと言った。

彼は優しくて、いい香りがした。
彼と喋っていると、本当に落ち着いた。


他にも、沢山の友達がいた。

皆、いいポケモンばかりだった。


毎日が楽しかった。

ずっと、こんな生活が続くと思ってた。



――けど、世界は変わってしまった。

11 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:26:14 ID:???
今まで混ざり合って生活していたポケモンが、突如分裂しはじめた。

あらゆるポケモンが、“タイプ”ごとに別れ――いがみ合いをはじめた。


ボクとボクのお母さんはエスパータイプだったけれど、
ボクのお父さんはゴーストタイプだった。

「暫しの別れ……
 我が子よ、生き残るのですよ」


――お父さんは、敵になった。



それだけなら良かった。
でも……ボクの傍にいてくれると思っていたお母さんも、
何だか重要な役割があるとかで、ボクですら会わせて貰えない場所に連れて行かれた。

「あなたはいい子だから、きっと大丈夫。
 アルセウス様が守ってくれるわ……」


――お母さんまで、いなくなった。

12 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:31:24 ID:???
ボクより悲惨なのが、ロゼリアだった。
彼も、彼の両親も、みんな毒と草、二つのタイプを持っていた。

――彼の父は毒、母は草に付く事になった。
彼は板ばさみになった。

きっと、毎日悩んだんだろう。
ボクにはそれが判った。

戦争がはじまると決まってから、彼に会うたび、
彼の“辛い”と言う気持ちがボクに流れ込んできて、ボクまで辛くなった。

こんなの、エスパータイプだけなんだろうな。
この時だけ、ボクは自分がエスパーであることが嫌だった。


そして、ボクたち子供もついに軍の本拠地に入り、
戦闘訓練をしなくてはいけなくなってしまった。

「次に会う時は、敵同士かもしれませんね」


――唯一の心の支えだったロゼリアも、ボクの前から居なくなった。



「また会おうぜ、絶対な!」


――他の友人達も、もちろん。

13 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:34:37 ID:???
突然始まった戦争が、ボクから全てを奪い取った。

今はまだどことも戦っていないけど、そのうち戦いがはじまる。
そしたら、ボクはまたこれからも、もっと沢山のものを失うことになる。


でも、いくら拒んでも、それでも何も変わらない。


ボクがいくら泣いても、戦争は止まらない。

ボクがいくら叫んでも、昔の生活は返ってこない。

ボクがいくら喚いても、何一つ変わりはしないんだ。



「……よし、そろそろ起きよう」

そう思ったときには、ボクの体は元に戻っていた。

14 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:43:50 ID:???
「……。」

夜だ。
あれから、どれだけ寝てたんだろうか。

ここは宿直室だろうか。
暗くてよくわからないけど、きっとそうだ。

背中には、いつものベッドの感触。
手を伸ばすと、枕元に魔道書。

間違いなく、いつもの宿直室。


けど、何か違和感。


少し考えると、原因はすぐにわかった。


――寝息。

ボクはトイレが近いのか、この時間に起きてしまうことがある。
たまにベッドに世界地図を作ってしまうこともあるけど、それはまあ置いといて。

何かって言うと、その時聞こえるはずの皆の寝息が聞こえない。


と言う事は、皆が居ないと言う事か。

15 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:47:48 ID:???
「……χπη」

この時間に起きたときのために、
必ず暗唱できるようにしているこの便利な呪文。

唱えた瞬間、視界が明るくなる。

暗闇でもまぶしい光の中でも、いつもと同じように目が見えるようになる不思議な呪文だ。


「……な、っ」

やっぱり、誰も居ない。


「どうなってるの……?」

魔道書を抱き上げて、急いで走る。
嫌な予感がする。

――とても、嫌な予感が。


ボクはドアを開け、廊下を駆け抜け、階段を下り、外に飛び出した。

16 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 08:50:34 ID:???
「な……な、っ」

“その光景”を見て、ボクは言葉を失った。

全身の力を奪われたように、へなへなとその場に座り込む。


次に、恐怖が襲い掛かる。

背筋が凍るような感覚に襲われ、体の震えが止まらない。

その場から動くことも出来ず、地面に黄色い水溜りを作ってしまう。


「あ、ああぁ……」

汗が吹き出てくる。
涙が溢れてくる。

まるでひどい風邪でもこじらせたかのように、
頭が痛くなって、ぼうっとして、くらくらする。


「う……っ」

次は鼻。

今まで嗅いだ事のない匂いが、ボクの鼻を刺激する。

何も食べてなかったから、ボクの胃の中から食べ物が出てくることはなかった。

かわりに、体の中のモノを全部外に出してしまいそうな感覚におそわれた。

17 :名無しさん、君に決めた!:2008/07/28(月) 11:03:02 ID:??? ?2BP(156)
>>1
ポケモン自作小説投稿スレ 第四部
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/poke/1215910962/
ポケモン自作小説投稿スレ 第五部
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/poke/1216827796/
ポケモン自作小説投稿スレ 第五部
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/poke/1216827751/
ポケモン小説みんなでかいてみたらどうよ
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/poke/1200310547/

スレ立てる前に板内検索くらいかけろ。

18 :名無しさん、君に決めた!:2008/07/28(月) 12:18:03 ID:???
夏だな〜(´Д`)

19 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 12:48:08 ID:???
ボクは絶望した。 もう言葉も出なかった。
これだけの仲間を、一気に失ってしまった。

それも、原因もわからないまま。

全てに絶望し、全てを諦めたその時――後ろから声が聞こえた。

「よかった、生きていたか!」
「……きょう、かん?」

いつもはただ煩いだけだと思ってた、教官の声。

こうして聞いてみると、どれだけ重みの、頼りがいのある声だろうか。


ボクは、教官に飛びついて泣き出した。

教官は、何も言わずにただ黙っていた。

20 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 12:49:17 ID:???
――次の日。

「……本当に行くのか?」

「はい、お世話になりました」


教官から全てを聞いたボクは、旅の支度を整えていた。


エスパー軍は、突如奇襲をしかけて来たゴースト軍によってほぼ壊滅したということ。
そしてそれが、ボクが突然倒れてから起きるまでの3日の間の出来事だったこと。

殆どが殺され、残りは連れ去られたこと。
その中には、ボクのお母さんもいるということ。


「それでは……」

「お前がどうしても行くなら、ワシは止めん。
 目を見れば、お前の決意は本物だと判るからな。
 ……だが、命を捨てるような真似だけは……許さんぞ」

「……はい、必ず帰ってきます!
 それまで、生き残った皆をお願いします!」


こうしてボクは旅に出た。
ほんの少しの希望と、魔道書だけを胸に抱えて。


                             ――第一話:END

21 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 13:24:35 ID:???
僕の父上は死んだ。


波動の勇者、鋼の勇者、無敵の勇者。

勇者と呼ばれた父上が死んだ。

皆を凶暴な野生のポケモンから守り続けた父上が死んだ。


父上には粗末な墓しか与えられなかった。

皆は、次の勇者を探した。

誰も父上の死自体を悲しまなかった。

皆の為に戦い続けた結末がコレだ。



――父上、僕はどうすればいいんですか?

いいえ、答えなくてもいいんです。

どうするべきか、既に理解していますから。



第二話:波紋の小勇者

22 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 13:27:39 ID:???
小高い丘の上。

入ったきり、二度と出てくる事のなかった洞窟のすぐ横。

そこに父上の墓はあった。


「……。」

墓、と言っていいのだろうか。

父上の使っていた剣が突き刺さり、
その傍にこう彫られた石が置いてあった。


「勇者ルカリオ、ここに眠る……か」

「……おじさん」

「お兄さんって呼べよ」

マニューラさんが、花を持って来てくれた。

父上の死を悲しんでくれているのは、
もしかすると、息子であるボクと――父上の良きパートナーだった彼だけなのかもしれない。

そんな事を考えると、心の底から悲しくなった。


「……マニューラさん」

「ん、何だ?」

23 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 13:32:12 ID:???
「……父は何故死んだのですか?」

「またソレか……」

父上の死体は、帰ってこなかった。

父上の死の真相を知ってるのは、一緒に洞窟に入っていったマニューラさんだけだ。


「……知らない方がいい」

「そんな!」

いつもこうやってかわされる。

そんなに酷い死に方をしたんだろうか。


「教えて下さい!
 どんな事だろうと、受け入れる覚悟は出来ています!」

「……。」

マニューラさんは、口を閉ざしたままだった。



その時だ。
いけない事だと思ったけど、

僕に、ひとつの――そう、あくまで一つの“想像”が生まれた。

24 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 13:44:24 ID:???
そもそも彼は、何かに所属するのを嫌い、
あちこちのタイプの本拠地で金品を盗んで生活していた。

そして彼がこの鋼タイプの本拠地に盗みに入ったときだ。
父上が彼を発見して倒し、彼はそれから父上と親しくなった。

名目上は、父上の強さが気に入った、というものだった。

でも、本当は親しくなんてなりたくなかったとしたら。
パートナーだと偽って、実は父上の隙を伺ってたとしたら。

いや、そうでなかったとしても。
洞窟の中で、何かしら口論になったとしたら。
目の眩むような財宝が見つかったとしたら。

「……。」


どうすれば良いか解らなかった。

僕は父上の死んだ理由もわからないまま、
遂には父上のパートナーだった人まで疑い始めてしまった。


「お……教えてくれないなら、自分で確かめに行きます!」

「お、おい! 何考えてんだ!?」

自分でもわからない。
とにかく、必死だったんだと思う。

――僕は、洞窟へ向かって走っていった。

25 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 13:50:59 ID:???
「おい! いい加減にしろ!」
「っ!」

何て速いんだ。
今の一瞬で、先回りされるなんて。


「お前が死んじまったら……ルカリオの野郎に顔向けできねぇだろ!」
「う……ん」

マニューラさんに抱きしめられて、やっと気持ちが落ち着いた。
同時に、さっきまで僕に取り付いていたどうしようも無い不安も消えていった。


「そこまでして、知りたいのか?」
「……はい」

「そうか……」

マニューラさんは僕から離れると、肩を持って……寂しそうな顔をした。

それから暫く、沈黙が流れた。

いつまで続くかわからない沈黙。
もしかして目を開けたまま寝てるんじゃないかと思い始めた瞬間、マニューラさんがやっと口を開いた。


「――額に傷のあるアーボックだ」
「……。」

額に傷にあるアーボック。
それが、父上の仇なのか。

26 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 13:57:29 ID:???
マニューラさんは、父上の死の経緯を事細かに話してくれた。


額に傷のあるアーボックがこの洞窟に居る野生ポケモンの親玉だと知り、
二人で倒す計画を練っていたこと。

マニューラさんが作戦に失敗して、
アーボックに巻きつかれ、食べられかけたこと。


――父上がそれを助け、身代わりになったこと。


話し終えた瞬間、マニューラさんの目から涙が溢れ出た。

きっと、誰かに話したかったんだろう。


「ごめん……ごめん、リオル。
 ……オレのせいで、オレのせいでルカリオは……」
「……大丈夫……です」

複雑な心境だった。

さっきまで少しだけでも疑っていた人が、
父上の為に涙し、そのうえ父上が死んだのは自分の所為だと思って、
何度も何度も僕に謝ってくれている。


胸が苦しくなった。

自分が嫌になった。

27 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 14:04:30 ID:???
――その日の夜。
僕は眠れなかった。

「……。」

じっと掌を見つめる。
力を込めると、ぼうっと青い炎のような――波動が浮かび上がる。


「……僕に……これを使う資格があるのでしょうか、父上」

父上は言っていた。
波動は、心の正しい者だけに使う資格があると。


僕はどうなんだろう。

父の死を悲しまなかった鋼軍のみんなを、恨んでいたのかもしれない。

あのままマニューラさんが何も話してくれていなかったら、
マニューラさんが父上を殺したとずっと疑ってたかもしれない。

父上の仇の話を聞いて真っ先に考えたのが、その仇を叩き潰すことだった。


僕は本当に正しい心を持っているんだろうか。

それどころか、僕の心は汚れきっているんじゃないだろうか。


僕に、波動を使う資格はあるんだろうか。

28 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 14:12:24 ID:???
「……。」

布団を跳ね除け、ベッドから飛び降りる。
何かに押されるように家の中をずんずん進み、ドアを開け――外に出た。


「……ふぅ」

深いため息をつき、空を見上げる。

――綺麗な星空だ。
父はあの星のひとつになったんだろうか。

そんな事を考えながら、歩き続けた。


何かアテがあった訳じゃない。
そもそも、ここには僕が立ち寄れるところなんて無い。

僕には他の人と一緒に居れる場所がなかった。
皆、僕を特別扱いした。


『勇者の息子に、一般人と同じ訓練をさせるなんて恐れ多い!』

『勇者の息子と友達だなんて!』

『勇者の息子にうちの店の料理なんか出しちゃ失礼だ!』


僕は普通なのに。
僕が何かできるわけじゃないのに。

29 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 14:19:31 ID:???
「……ん」

――気がつくと、父上の墓の前まで来ていた。
マニューラさんが供えてくれた白い花が、風で優しく揺れている。


「父上……」

墓標代わりの父上の剣に近寄って、手をかける。
何故だか、父上と手をつないでいる気がした。


「……ッ!」

いや、気のせいじゃない。
この剣からは、父上の波動を感じる。


「ん……っ!」

僕は力を込めた。
自分の身の丈ほどもあるこの剣を、抜こうと考えたのだ。

普通に考えれば、無理なことだ。
抜けたとしても、持ち上げることなんて出来ない。

それを解った上で、やったつもりだった。

――でも。


剣は、容易く抜けてしまった。

30 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 14:24:17 ID:???
「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」

直後。
僕の体の中を、何かが駆け巡った。

――父の波動だ。

僕は直感した。

父が剣を通して、語りかけてくれているような気がした。
心が、体が――全てが透き通ったような気がした。



「う……うう、ん」

そのまま暫く時が流れ――全てが治まったとき、
心なしか、父の剣が小さく、軽くなっている気がした。


「……。」

何も考えず、剣を構える。

すると、身体が勝手に動き出した。
まるで以前から習得していたかのように、様々な剣術を繰り出していく。


「おい……そこに誰か居るのか!?」

突然叫ばれて一瞬驚いたが、すぐに安堵した。
これはマニューラさんの声だ。

31 : ◆ookl8F00Oo :2008/07/28(月) 14:30:05 ID:???
「貴様、まさかルカリオの墓を荒らしに――」

こっちが見えてないのか、マニューラさんは荒々しく叫びながら近づいてくる。

「ち、ちがうよ! 僕だよ!」
「――!?」

そして――僕の声を聞いて、顔を見て、その動きを止めた。


「……?」
「あ……あ、っ」

マニューラさんの目に、涙が浮かんでいる。
――何だろう。 一体何があったんだろう。
僕、何かしたのかな。

そんな事を考えていると――マニューラさんは、突然僕に抱きついてきた。


「うわっ!?」
「ルカリオ! 生きてたのかッ!」

――ルカリオ?

ボクははっとして、自分の手を、足を――姿を見る。
――まさか、まさかそんな。


ボクの姿が――父上そっくりになってる!

                             ――第二話:END

32 :名無しさん、君に決めた!:2008/07/28(月) 16:29:04 ID:???
懐かしいなこれw

33 :名無しさん、君に決めた!:2008/07/29(火) 01:03:45 ID:???
最初っから急に読者おいてけぼりだな

34 :名無しさん、君に決めた!:2008/07/29(火) 22:11:27 ID:???
  ┏┳┳┓     ハイ.     ┏┳┳┓
┏┫┃┃┃     自演は   ┃┃┃┣┓
┃┃┃┃┣┓   ここまで ┏┫┃┃┃┃
┃      ┃┃┏━━━┓┃┃      ┃
┃ 自演   ┣┫ . ・∀・ ┣┫. STOP!┃
┗━━━━┛┗┳━┳┛┗━━━━┛
            ┏┻┓┃
        ┏━┛  ┣┻┓
        ┗━━━┫  ┗━┓
.             ┗━━━┛

35 :名無しさん、君に決めた!:2008/08/04(月) 10:28:37 ID:???
>>1の次の投稿に結構期待しちゃってる俺ガイル

36 :名無しさん、君に決めた!:2008/08/11(月) 18:23:04 ID:bIoHb88S
a 
g 
e

37 :名無しさん、君に決めた!:2008/08/11(月) 18:25:18 ID:???
埋め

ようとおもったけどやっぱやめた

38 :名無しさん、君に決めた!:2008/08/11(月) 23:13:53 ID:???
これ前やってたのと同作者?

39 :名無しさん、君に決めた!:2008/08/12(火) 05:08:27 ID:???
最初は何これと思ったけど、読んでみるとなかなか面白いじゃないか
でも、ここまで放置されていると続きを期待するのは無理そうだな

40 :名無しさん、君に決めた!:2008/08/15(金) 15:02:53 ID:Di7k7uwQ
今日は終戦記念日です。過去の過ちを繰り返さないように彼らの言葉を胸に刻みましょう。

「不思議なことだ、いつの時代においても悪人は自分の下劣な行為に、
宗教や道徳や愛国心のために奉仕したのだという仮面を着せようとつとめている」
byハイネ
「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるな!」
byジミ・ヘンドリックス(“伝説”のギタリスト)
「愛国心とは喜んで人を殺し、つまらぬことのために死ぬことだ」
byバートランド・ラッセル(哲学者、ノーベル文学賞受賞)
「恐怖心や愛国心によって人を殺すのは、怒りや貪欲によって人を殺すのとまったく同じく悪い」
byヘンリー・ミラー
「愛国心と言う卵から、戦争が孵化する」
byモーパッサン
「愛国心とは、ならず者達の最後の避難所である」
byサミュエル・ジョンソン(イギリスの文豪)
「ナショナリズムは小児病である。それは国家の麻疹(はしか)である」
by アルベルト・アインシュタイン(物理学者、ノーベル物理学賞受賞)
「人類から愛国心を叩き出してしまわないかぎり、あなたがたは決して平穏な世界を持たないだろう」
byバーナード・ショウ(戯曲家、劇作家、ノーベル文学賞受賞)
「愛国心なんて今すぐ廃語にすべき言葉です」
by藤原正彦(「国家の品格」の著者、お茶の水女子大教授)
「今日の大きな悪魔は愛国心、愛国心が大戦をもたらすのだ」
byチャールズ・スペンサー・チャップリン(喜劇王、俳優・映画監督)


41 :名無しさん、君に決めた!:2008/08/15(金) 16:10:51 ID:???
そうだね。戦争はいけないね。相手から殴られても黙ってるのが一番だね。
そうやって殴られても黙っていれば、いつか黙ってる奴らが滅んで世界から争いがなくなるね。
人が人を裁けるのは裁く側がより強い力を持っているからだもんね。
殴った方を殴られた方が裁くのは永遠に無理だよね。相手は気にせず殴り放題だよね。
戦争はいけない!武力を振るう側からしたら これほど都合のいい言葉はありませんなぁwwwwwww

そんなことより小説の続きマダー?

42 :名無しさん、君に決めた!:2008/08/24(日) 13:16:28 ID:???
>>1

頼むからカムバァ〜ック!!

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read.cgi ver 05.02.02 2014/06/23 Mango Mangüé ★
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